医療法人申請(認可申請・設立・登記手続き)


医療法人申請

■@医療法人とは

医療法人とは、医療法の規定に基づいて設立された法人です。 設立際しては、普通法人と違い都道府県知事の認可を受けなければなりません。

病院・医師(もしくは歯科医師)が常勤勤務する診療所(または介護老人保健施設)を開設しようとする社団(財団)が、医療法の規定によって法人を設立するものです(医療法第39条)。

「病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与すること」(医療法第1条)のとおり、医療提供体制の確保と国民の健康の保持のために定められた制度で、法人化により資本の集積、医療機関の永続性の確保、高度な医療体制の充実などにより医療の安定的供給が期待されています。

医療事業は公益性が高いため医療法人に関しても商法上の会社と公益法人との中間的な存在となり、余剰金の配当が禁止されていたり、決算の届出が義務付けられていたりします。また、公益法人のように税制上様々な優遇はありませんのでご注意下さい。


■A医療法人の分類

医療法人の組織としては、出資によって設立される社団と寄付された財産によって設立される財団との大きく2種類に分類されます。

(1)医療法人社団

複数の人が出資して設立する医療法人で、出資者は社員として出資額に応じた持分を有します。出資者は退社時や解散時には持分に応じた払い戻しや分配を受けることができます。医療法人にはこの医療法人社団が一般的です。

(2)医療法人財団

個人または法人が寄付した財産によって設立する医療法人で、財産の提供者に提供額に応じた持分は認められません。法人の解散時には理事会の決議で残余財産の処分方法を決定し、都道府県知事の認可を受けてから実際に処分されます。

■B医療法人の種類

株主総会の手続き要件の簡素化や取締役会の書面決議の導入、新株発行や自己株式取得の要件緩和、公告方法や株式譲渡制限の要件など、また、役員の欠格事由や解任要件、責任についての規定を一部緩和することでスムーズな運営を図ります。

(1)一人医師医療法人

医療法上は医療法人と設立手続や権利および義務の面では同じですが、昭和60年12月の法改正により、それまで3人以上必要だった医師または歯科医師の最低人数に関する制約がなくなり、1人または2人の診療所でも医療法人の設立が認められるようになったものを便宜上「一人医師医療法人」と呼びます。診療所の経営と医師個人の家計を分離することで、診療所の設備、機能の充実を図るとともに経営基盤を強化し診療所経営の近代化・合理化を図ることを目的としたもので、ほとんどの医療法人はこの一人医師医療法人です。

(2)特定医療法人

特定医療法人とは、持分の定めのない医療法人社団または医療法人財団で、公益性が高いと国税庁長官の承認を受けたものです。特定医療法人については法人税法上、公益法人の収益事業と同様の軽減税率が適用されます。

(3)特別医療法人

特別医療法人とは、持分の定めのない医療法人社団または医療法人財団で、公益性の高い医療法人として一定の要件をクリアした場合に特別医療法人とし、収益を当該特別医療法人が開設する病院、診療所又は老人保健施設の経営に充てることを目的として、厚生労働大臣が定める業務を行うことができます(医療法第42条第2項)。
1.役員のうちには、各役員について、その役員、その配偶者及び3親等以内の親族が役員の総数の2分の1を超えて含まれることがないことその他公的な運営に関する厚生労働省令で定める要件に適合するものであること。
2.定款又は寄附行為において解散時の残余財産を国、地方公共団体又は厚生労働省令で定める者に帰属させる旨を定めていること。

(4)特別医療法人

社会医療法人とは、医療計画に位置づけられた僻地医療、小児救急医療等を行うべき新たな医療法人で、平成19年4月1日より施行されました。この主な目的は僻地医療や小児緊急医療等の公益的医療は公的医療機関が行ってきましたが、民間医療機関が代わってできるようにしたのです。

(5)MS法人

MS法人とは、メディカルサービス法人の略です。
MS法人は主たる目的として診療業務に付随する賃貸管理・各種サービス(医薬品等の仕入、在庫管理、受付業務、保険請求等)を業務として行います。

ただ、MS法人は医療法人ではなく、株式会社(普通法人)です。 ただ現状では医療法人の節税会社として使われている例が多いようです。しかし、節税対策としてMS法人をつくっても設立費用、会社維持管理費用のコストがかなりかかっています。また、せっかく医療機関は消費税が優遇されていますが、消費税課税事業者の課税売上額を考慮しないでMS法人を活用したりしますとTOTALコストはMS法人がないほうが低くすむことが多々見受けられます。
MS法人は節税対策として考えるのではなく医療法人では業務内容の制限がありますので、医療法人が行うことのできない業務を行いたい場合はまだMS法人をもつ意味があるとは思います。


■C医療法人のメリット

1.経営上のメリット

 ・社員から出資を受けることで医師個人の資金調達が分散化する
 ・個人と医療事業とを分離することで、医療機器購入等の資金計画が明確にできる
 ・近代的経営による社会的信用の向上

2.税務面でのメリット

 ・法人(法人税)と個人(所得税)に収入が分散されるため、二重に控除を受けられる
 ・損金にできる幅が広がる。(社宅等)
 ・非常勤の家族も(非常勤)給与を受けられる

3.事業展開面でのメリット

 ・法人格が要件とされている事業が可能になる
 ・金融機関との関係が向上(法人と個人との主体が確保される)。

4.事業継続面でのメリット

 ・法人名義で資産を保有するため、相続税計算のときに分散できる
 ・法人に対しては持分が別になるため事業継承が複雑にならない

5.その他

 ・任意の会計期間を設定できる
 ・社会保険の診療報酬の源泉徴収がなくなる
 ・退職金が支給できる


■D医療法人のデメリット

1.一般的に理事長(医院長)の手取収入が減少
2.役所への事務手続が発生
3.社会保険への加入
4.接待交際費は資本金の額に応じて限度がある
5.経理手続きが個人と比較して複雑

医療事業は公益性が高いため医療法人に関しても商法上の会社と公益法人との中間的な存在となり、余剰金の配当が禁止されていたり、決算の届出が義務付けられていたりします。また、公益法人のように税制上様々な優遇はありませんのでご注意下さい。


■E医療法人設立要件

医療法人にあたってはいくつかの要件があります。また都道府県によっては実際の条件が多少変化することがありますのでご注意下さい。

1.役員:理事3名以上、監事1名以上を置くこと。
2.理事長:原則医師又は歯科医師(但、都道府県知事が認めた場合はこの限りではない)。
3.資産:法人の業務を行うために必要な資産を有すること。
4.会計:原則として、病院会計準則により処理し、毎会計年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成
5.経営情報の開示義務:医療法人の公共性の程度や、医療法人の設立が個人の出資によるものであることに鑑み、債権者のみに対する開示を義務付け。
6.利益分配の禁止:医療の非営利性を担保するため、剰余金の配当を禁止。
7.附帯業務の制限:医業の永続性を担保するため、本来事業に支障のない範囲で、介護保険事業など一定の業務に制限(医療関係者の養成、研究所の設置、精神障害者復帰施設、疾病予防運動施設、訪問看護ステーション、老人居宅介護等事業、等)。

●医療法人の設立申請ができる要件(医師等)

@医師又は歯科医師
A欠格条項(医療法第46条の2第2項)に該当していない方
 ・成年被後見人又は被保佐人でない方
 ・医療法、医師法、歯科医師法及び関係法令に現在及び過去2年間違反していない方
 ・禁固以上の刑に処せられ、刑を執行されているか執行猶予期間中でない方

●医療法人の構成

原則として理事3人以上
理事のうち医師または歯科医師1人を理事長として互選します。
さらに、監事1人以上が必要です。 但し、監事は理事を監督する立場にあるので、法人の利害関係者や理事の親族(6親等以内を目途)などは就任できません。

●社員(設立者)

社員は、原則として3人以上です。医療法人の社員は、株式会社でいう株主に近いものをいいます。  (社員になるには出資が必須ではなく、出資した方は必ず社員になりますが、出資していない方も社員になれます)

●医療法人設立要件 (財産)

「自己資本比率」に関する要件があります。

「自己資本比率:財産総額−負債総額)÷財産総額×100」が、
診療所のみを開設する場合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0%以上   
病院又は介護老人保健施設を開設する場合 ・・・・20%以上 でなければいけません。

●出資財産

@不動産、借地権 A預貯金 B医業未収入金 C医薬品・材料など D医療用器械備品 E什器備品 F電話加入権 G保証金等 H内装付帯設備 Iその他 が含まれます。

●出資財産

出資(寄附)財産の取得時に発生した負債は引き継ぐことができます。
注)法人化前の運転資金や消耗品購入費用の負債は引き継ぐことができません。
さらに、 「運転資金」については、「原則として年間支出予算の2か月分が必要」です。 注)預貯金や医業未収入金など換金性が高いもので算出され、法人設立後の金融機関からの借入金は運転資金として算入出来ません。

●医療法人の構成

原則として理事3人以上
理事のうち医師または歯科医師1人を理事長として互選します。
さらに、監事1人以上が必要です。 但し、監事は理事を監督する立場にあるので、法人の利害関係者や理事の親族(6親等以内を目途)などは就任できません。

●医院不動産の永続的な確保

 医院の土地・建物は医療法人所有のものが望ましいとされていますが、長期(10年以上)の賃貸借契約が担保されていれば借地、借家でも可能です。 注)医師個人所有の不動産を安易に医療法人に出資すると、将来的な相続の際に「小規模事業等宅地の特例」を受けられなくなったり、税制上必ずしも有利とは言えない場合もあります。


F医療法人の設立手続

・医療法人設立認可制度

医療法人設立は、一般の株式会社等のように自由な時期に設立することができず、法人設立には都道府県知事の認可を得ることが必要です。設立認可の時期は都道府県によっても変わりますので、医療法人の設立には綿密な準備と適切な手続の対応が要求されます。医療法人の設立をお考えの方は法人開院の6〜10ヶ月前までにご相談ください。

・医療法人設立に必要な書類

 1.医療法人設立認可申請書
 2.定款
 3.財産目録および財産目録明細書
 4.負債内訳明細書
 5.債務残高証明および債務引継承認願
 6.出資申込書
 7.設立決議録および設立趣意書
 8.医療法人の開設しようとする病院(診療所)の概要
 9.社員および役員の名簿
 10.職員一覧
 11.予定役員報酬の一覧および過去2年間の収支実績表
 12.案内図、敷地図および建物平面図
 13.2年間の事業計画および予算書
 14.設立者および役員の履歴書
 15.設立代表者への委任状
 16.役員の承認承諾書
 17.病院(診療所)の管理者就任承諾書
 18.医師(歯科医師)免許証の写し
 19.病院(診療所)を賃貸する場合には、賃貸借契約書
 20.不動産賃貸借料の算定根拠
 21.過去2年間の確定申告書
 22.リース機器がある場合には、契約書の写しおよび引継承諾書

G医療法人の設立スケジュール

1、医療法人設立についての説明会 (都庁等)
2、相談資料による事前相談
3、定款・約款の作成
・医療法人の基本的な法律を作成します。
4、設立総会の開催
・医療法人の社員・理事・監事で設立総会を開き、基本的事項を決定し、承認を受けます。
5、設立認可申請書の作成
・医療法人の設立認可申請書を作成します。
6、設立認可申請書の提出(仮受付)
・設立認可申請書及び各種添付書類を各都道府県の窓口に申請します。
7、設立認可申請書の審査
・各都道府県で設立認可申請書の審査が行なわれます。設立代表者についてのヒアリングも行なわれる場合があります。
8、設立認可申請書の本申請
9、医療審議会への諮問
10、医療法人設立認可についての答申
11、設立認可書の交付
・医療法人認可書及び認可証明書の受領用紙と引き換えに認可書と認可証明書が配られます。
12、設立登記申請書類の作成・申請
・医療法人認可の日から2週間以内に主たる事務所を管轄する法務局で医療法人の設立登記を行います。  
13、登記完了(法人設立)
・登記が完了すると、医療法人が成立します。但し、例えば法人として診療所を4月1日に開設するためには3月中に登記を完了する必要があります。
14、登記完了届・医療法人登記簿謄本の提出
・登記完了届・医療法人登記簿謄本を各都道府県の窓口に提出します。
15、病院(診療所)開設許可申請
・保健所に法人による病院(診療所)開設許可申請、個人開設の病院(診療所)廃止届、法人による診療所開設届等の書類を提出します。
16、その他諸官庁への事業開始に伴う各種届出
・ 税務署・社会保険事務所に各種届出を行ないます。
17、医療法人として診療所が開始


 

詳細につきましては下記にお問い合わせ下さい。
п@ 03-6379-1582
Mail mail@keieiconsult.com
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目次

@医療法人とは
A医療法人の分類
B医療法人の種類
C医療法人のメリット
D医療法人のデメリット
E医療法人設立要件
F医療法人の設立手続
G医療法人の設立スケジュール